タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P22-3 PD 術 後 の 脂 肪 肝 発 生 についての 検 討
四 国 中 央 病 院 外 科
○… 石 川 正 志 , 松 山 和 男 , 豊 田 剛 , 三 浦 連 人 , 森 本 忠 興
( 目 的 ) 近 年 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 (PD) 後 の 脂 肪 肝 の 発 生 が 問 題 となっ
ている。 長 期 的 にみれば 膵 腸 吻 合 を 行 った 症 例 の30~50%に 脂 肪 肝 が
発 生 することが 指 摘 されている。 我 々は 手 技 の 簡 便 さや 術 後 経 過 が 良
好 なことから 膵 胃 吻 合 を 行 っているが、 膵 胃 吻 合 後 の 脂 肪 肝 発 生 につ
いての 報 告 は 少 ない。そこでこれまで 経 験 したPD 術 後 膵 胃 吻 合 を 行 っ
た 症 例 における 術 後 脂 肪 肝 発 生 の 要 因 について 検 討 を 行 った。( 手 技 )
膵 胃 吻 合 では 胃 体 下 部 の 前 壁 に6cmの 縦 切 開 、 後 壁 に2cmの 横 切 開 を
おき、 後 壁 から 残 膵 を 胃 に 陥 入 し、 胃 の 前 壁 から 直 視 下 に 胃 の 全 層 と
膵 に 約 20 針 程 度 の 結 節 縫 合 を 行 う。 早 期 に 膵 の 断 端 が 胃 の 粘 膜 により
覆 われることを 避 けるために、3cmのlost…tubeを 膵 管 に 挿 入 している。
その 後 Billroth1 法 で 胃 空 腸 吻 合 を 器 械 にて 追 加 し、 約 15cm 肛 門 側 に
胆 管 空 腸 吻 合 を 置 く。( 対 象 と 成 績 ) 過 去 9 年 間 に71 例 ( 男 42 例 、 女 性 29 例 、
67±10 歳 )の 膵 胃 吻 合 によるPDを 行 った。 疾 患 の 内 訳 は 膵 癌 25 例 、 胆
管 癌 22 例 、 乳 頭 部 癌 8 例 、 良 性 疾 患 16 例 であった。 画 像 上 術 前 の 脂 肪
肝 のある 症 例 はみられなかった。 術 後 膵 液 漏 は6 例 (9%)みられたが、
いずれもgrade…Aであり、 最 近 3 年 間 の 術 後 平 均 在 院 日 数 は18 日 であっ
た。 術 後 1 年 以 上 経 過 している62 例 の 栄 養 状 態 (Alb,T-cho,Che,Hb)は
術 前 後 で 有 意 差 はみられなかった。 体 重 で 約 3kgの 有 意 な 減 少 が 見 ら
れたが、 膵 炎 の 発 症 や 頑 固 な 下 痢 などもまったくみられず、ほぼ 全 症
例 で 術 前 の 生 活 レベルが 維 持 されていた。 術 後 脂 肪 肝 の 発 生 は6 例
(10%)であった。 脂 肪 肝 の 発 生 の 有 無 について 背 景 要 因 、 各 種 血 液 検
査 成 績 、 膵 管 拡 張 や 膵 の 萎 縮 などの 画 像 検 査 を 比 較 検 討 し、 単 変 量 お
よび 多 変 量 解 析 を 行 ったが、いずれも 有 意 なものはみられなかった。
( 結 論 ) 当 科 で 行 っている 膵 胃 吻 合 後 の 脂 肪 肝 の 発 生 頻 度 は 他 の 報 告 に
比 べ 少 なかったが、 発 生 に 関 するrisk…factorは 明 らかなものはみられ
なかった。 当 科 でのPD 症 例 は 長 期 的 にも 良 好 な 栄 養 状 態 が 維 持 され
ており、それが 脂 肪 肝 の 発 生 が 少 ない 理 由 であると 思 われた。
P22-4 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 後 の 脂 肪 肝 にエレンタール 投 与 が
効 果 的 であった1 例
遠 賀 中 間 医 師 会 おんが 病 院
○… 皆 川 亮 介 , 末 廣 剛 敏
膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 後 の 脂 肪 肝 は30%~40%に 発 生 するとされており、
近 年 その 危 険 因 子 等 に 関 する 報 告 が 散 見 される。 今 回 我 々は 膵 頭 十 二
指 腸 切 除 術 後 の 低 栄 養 状 態 、 脂 肪 肝 に 対 しエレンタールによる 栄 養 療
法 が 効 果 的 であった 症 例 を 経 験 したので 報 告 する。 症 例 は80 歳 の 男 性 、
糖 尿 病 、 高 脂 血 症 のため 近 医 にかかりつけであったが、3ヶ 月 前 より
血 糖 コントロール 不 良 、 体 重 減 少 を 認 めるようになったため 精 査 を
行 ったところ 膵 頭 部 癌 を 認 めた。 加 療 目 的 に 当 科 紹 介 、 門 脈 再 建 を 伴
う 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 を 施 行 した(SMA 神 経 叢 郭 清 あり)。 術 後 病 理
診 断 はWell…differentiated…tubular…adenocarcinoma,…T3,…N0,…M0,…
Stage3であった。 術 後 は 特 に 合 併 症 なく 経 過 し28 日 目 に 自 宅 退 院 と
なった。 退 院 後 は 月 に1 回 外 来 でfollowしていたが、 術 後 4ヶ 月 目 に 低
栄 養 状 態 から 全 身 の 衰 弱 が 進 行 したため、 栄 養 状 態 の 改 善 目 的 に 再 入
院 となった。 再 入 院 時 の 血 液 検 査 データはAlb…2.3g/dl、T-chol…80、
TG…69、ALP…576IU/l、γ-GTP…93IU/l、GOT…33IU/l、GPT…21IU/l、
HbA1c…7.1で、 画 像 検 査 では 肝 臓 のCT 値 が6.4HU、HU 値 の 脾 / 肝 が6.9
と 著 明 な 脂 肪 肝 を 認 めた。 全 身 の 浮 腫 が 著 明 であったためアルブミン
製 剤 を3 日 間 投 与 し、エレンタール、リーバクトの 処 方 を 開 始 したと
ころ、4 週 間 後 にはAlb…3.4g/dl(アルブミン 製 剤 投 与 後 )、T-chol…140、
TG…140、ALP…394IU/l、γ-GTP…39IU/l、GOT…20IU/l、GPT…11IU/l
と 血 液 検 査 データは 改 善 し、 倦 怠 感 の 消 失 、 食 欲 の 著 明 な 改 善 を 認 め
た。 全 身 状 態 が 良 好 となり 退 院 、 以 降 も 外 来 でエレンタールの 投 与 を
継 続 している。 再 退 院 から2ヶ 月 が 経 過 したが 体 重 は3kg 増 加 、 肝 臓
のCT 値 は48.0HU、HU 値 の 脾 / 肝 が0.9と 脂 肪 肝 は 改 善 、 血 液 検 査 デー
タもAlb…3.8g/dl、T-chol…144、TG…132、ALP…387IU/l、γ-GTP…35IU/
l、GOT…30IU/l、GPT…20IU/l、HbA1c…7.1であり、 食 欲 、 全 身 状 態 も
良 好 な 状 態 が 保 たれている。 重 篤 な 低 栄 養 状 態 、 脂 肪 肝 に 消 化 態 栄 養
剤 のエレンタール 投 与 が 効 果 的 であったので 報 告 する。
P22-5 膵 癌 に 対 する 膵 全 摘 術 後 管 理
朝 日 大 学 村 上 記 念 病 院 外 科
○… 森 章 , 川 部 篤 , 中 嶋 早 苗 , 上 田 大 輔 , 久 米 真
背 景 : 膵 管 癌 に 対 する 膵 全 摘 術 は 膵 内 分 泌 外 分 泌 機 能 を 全 廃 させ、 術
後 のQOLを 低 下 させるため、その 適 応 を 慎 重 に 判 断 し、 術 後 管 理 を
厳 密 に 行 う 必 要 がある。 当 科 で 経 験 した 膵 管 癌 に 対 する 膵 全 摘 術 3 例
を 報 告 す る。 症 例 1:65 歳 男 性 BMI…23.0。 膵 頭 部 癌 (pT4,…pPVsp+,…
pN0,…M0,…stage…IVa)と 膵 尾 部 仮 性 嚢 胞 に 対 し 膵 全 摘 、 門 脈 合 併 切 除 、
横 行 結 腸 合 併 切 除 術 施 行 。 術 後 も 食 欲 良 好 で 下 痢 軽 度 、 消 化 剤 を 投 与 。
BMIは 術 後 1ヶ 月 (POM…1)に19.7まで 低 下 、POM…18に22.7まで 回 復 。
肝 CT 値 は60HU 以 上 で 維 持 。 術 後 補 助 化 学 療 法 は 本 人 が 拒 否 、POM…
26 無 再 発 生 存 中 。 症 例 2:46 歳 女 性 BMI…27.9。 膵 頭 体 部 癌 、 総 肝 動 脈 、
門 脈 、 脾 動 静 脈 浸 潤 に 対 して、 術 前 化 学 療 法 GEM+S1を6クール 後 、
腫 瘍 縮 小 効 果 あり、 膵 全 摘 術 施 行 (pT2,…pN0,…M0,…Stage…II)。 術 前 耐
糖 能 異 常 は 認 めず、 術 後 インスリン18 単 位 / 日 を 投 与 。 消 化 剤 止 痢 剤
を 用 い、POM…1から 補 助 化 学 療 法 GEMを 開 始 。POM…3にBMI…18.5ま
で 低 下 、 肝 CT 値 は-12HUに 著 明 低 下 。 食 思 不 振 、 下 痢 が 悪 化 し、プ
レアルブミンは3.6mg/dlに 低 下 、POM…5で 化 学 療 法 中 止 、IVHおよび
経 管 栄 養 を 行 い、 消 化 剤 止 痢 剤 増 量 。POM…7には 食 思 回 復 し、プレ
アルブミン13.5mg/dlに 改 善 。 肝 CT 値 はPOM…10に48HU、POM…16に
60HU、BMIも20.2に 改 善 。POM…19 無 再 発 生 存 中 。 症 例 3:67 歳 男 性
BMI…19.2。 膵 体 頭 部 癌 に 膵 全 摘 施 行 (pT3,…pN1,…M0,…Stage…III)。 血 糖
管 理 摂 食 良 好 でPOM…1から 補 助 化 学 療 法 GEMを 開 始 。 肝 CT 値 は
POM…3に18HUまで 低 下 し 肝 機 能 障 害 出 現 、BMI…14.2,… プレアルブミ
ン8.9mg/dlに 低 下 、 化 学 療 法 を 休 止 、 消 化 剤 止 痢 剤 増 量 し、POM…4
無 再 発 生 存 中 。 結 論 : 膵 管 癌 に 対 する 膵 全 摘 術 後 は、 血 糖 管 理 ととも
に 個 々の 症 例 に 応 じた 栄 養 管 理 が 必 要 であり、 補 助 化 学 療 法 の 施 行 は
慎 重 に 判 断 すべきである。 特 に、 術 後 早 期 に 急 速 に 進 行 する 脂 肪 肝 は、
厳 重 な 栄 養 管 理 で 回 避 できる 可 能 性 がある。
P22-6 膵 全 摘 後 ,NST 外 来 支 援 の 有 効 性
1
秋 田 赤 十 字 病 院 総 合 診 療 科 、 2 秋 田 赤 十 字 病 院 消 化 器 外 科 、
3
秋 田 赤 十 字 病 院 腫 瘍 内 科
○… 古 屋 智 規 1
, 小 棚 木 均 2
, 大 内 慎 一 郎 2
, 吉 川 雅 輝 2
,
澤 田 俊 哉 2
, 最 上 希 一 郎 2
, 岩 崎 渉 2
, 吉 楽 拓 哉 2
,
佐 藤 公 彦 2
, 小 棚 木 圭 2
, 武 藤 理
2,3
膵 全 摘 後 の 代 謝 栄 養 管 理 は 困 難 で 多 領 域 における 専 門 的 かつ 長 期 的 な
支 援 が 必 要 である。 一 方 , 急 性 期 病 院 において 在 院 日 数 の 短 縮 は 必 須
であり, 膵 全 摘 後 であっても 手 術 成 績 の 向 上 に 伴 い 長 期 入 院 は 許 容 さ
れない。 今 回 , 退 院 後 の 代 謝 栄 養 管 理 支 援 を, 管 理 栄 養 士 をはじめと
した 栄 養 サポートチーム(NST)の 多 職 種 メンバーが 連 携 して 対 応 す
ることにより, 良 好 な 経 過 を 得 ることが 出 来 たので 報 告 する。【 症 例 】
50 代 後 半 女 性 。 膵 管 内 乳 頭 粘 液 性 癌 で 膵 全 摘 術 を 行 った。 入 院 中 , 周
術 期 よりNSTが 栄 養 管 理 の 支 援 を 行 い, 経 過 は 順 調 で 術 後 20 日 で 退
院 した。 退 院 後 は 消 化 器 外 科 および 代 謝 科 外 来 受 診 時 に 合 わせて,
NST 担 当 管 理 栄 養 士 , 医 師 ( 肝 胆 膵 外 科 医 ), 検 査 技 師 等 の 多 職 種 連
携 による 外 来 を 開 始 した。その 内 容 と 目 的 は 栄 養 状 態 の 把 握 ・ 管 理 ,
主 治 医 へ 提 案 などであり, 手 法 は, 入 院 時 のNST 回 診 と 同 様 , 患 者
の 栄 養 状 態 評 価 とアセスメント( 主 観 的 包 括 的 評 価 項 目 , 特 に 体 重 増
減 や 消 化 器 症 状 , 脂 肪 便 の 有 無 等 の 疾 患 特 異 的 な 症 状 の 聞 き 取 り, 検
査 値 等 からみた 客 観 的 な 評 価 , 摂 取 熱 量 とその 栄 養 組 成 の 聞 き 取 りと
評 価 , 次 いで, 血 糖 管 理 や 消 化 酵 素 剤 投 与 に 合 わせた 必 要 熱 量 , 栄 養
組 成 の 患 者 , 家 族 および 外 来 診 療 担 当 医 への 助 言 )を 行 い,これを 継
続 して 実 施 した。 術 後 8カ 月 を 経 過 した 時 点 で, 計 8 回 の 外 来 支 援 を 施
行 。 最 終 的 には 高 力 価 の 耐 酸 性 腸 溶 性 膵 酵 素 製 剤 の 発 売 に 合 わせ,そ
の 処 方 助 言 を 行 い, 地 元 への 紹 介 されるにあたり, 紹 介 先 病 院 外 来 担
当 医 への 助 言 も 行 って 同 支 援 を 終 了 した。 膵 全 摘 施 行 患 者 の 退 院 後 に,
外 来 で 中 長 期 的 に 代 謝 栄 養 管 理 を 支 援 , 継 続 することで, 患 者 の 栄 養
状 態 把 握 , 治 療 への 負 担 軽 減 、 予 後 改 善 が 得 られたと 考 えられた。【 研
究 協 力 者 】 秋 田 赤 十 字 病 院 NST
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