タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

P103-1 地 方 一 線 大 病 院 における 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 の 現 状 と 今
後 の 課 題
日 本 赤 十 字 社 和 歌 山 医 療 センター 外 科
○… 横 山 智 至 , 桑 原 道 郎
【 背 景 】 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 術 (PD)は 最 も 難 易 度 の 高 い 手 術 の 一 つで
あり 手 術 関 連 死 亡 は1~4%であるものの、 術 後 合 併 症 は30~50%とい
まだ 高 率 である。そのためhigh…volume…centerであるかどうかが 議 論
されている。 地 方 一 般 病 院 の 現 状 としてPDの 成 績 と 今 後 の 課 題 を 検
討 した。【 対 象 ・ 方 法 】2004 年 1 月 から2011 年 12 月 までに 当 科 で 施 行 し
た88 例 を 対 象 とし、 短 期 手 術 成 績 を 中 心 に 検 討 した。【 結 果 】 男 性 62 例 、
女 性 26 例 、 平 均 年 齢 66 歳 (40 歳 ~83 歳 )。 疾 患 の 内 訳 は、 膵 癌 43 例 、 胆
管 癌 22 例 、 十 二 指 腸 乳 頭 部 癌 8 例 、 膵 IPMN6 例 (うち 癌 化 2 例 )、 腫 瘤
形 成 性 膵 炎 ・ 膵 嚢 胞 4 例 、 十 二 指 腸 癌 3 例 、 膵 内 分 泌 腫 瘍 1 例 、 膵
AVM1 例 。 術 式 はPD86 例 、PpPD2 例 。うち 門 脈 合 併 切 除 10 例 (11.3%)。
再 建 方 法 は 膵 胃 吻 合 74 例 、 膵 腸 吻 合 14 例 。 平 均 手 術 時 間 498 分 (283-898)、
平 均 出 血 量 1262ml(278-4267)、 術 中 輸 血 有 り41 例 、 無 し47 例 。 術 後 平
均 在 院 日 数 43.1 日 (22-150)、 在 院 死 は1 例 (1.1%)。 術 後 合 併 症 は32 例
(36.3%)で 認 め、その 内 訳 は 膵 液 瘻 8 例 (gradeA:1 例 、gradeB:7 例 、
gradeC:0 例 )、 胃 内 容 排 泄 遅 延 (DGE)7 例 、 腹 腔 内 膿 瘍 6 例 、 創 感 染 4
例 、 肝 管 空 腸 縫 合 不 全 1 例 など。 再 手 術 は2 例 。( 膵 胃 吻 合 部 閉 塞 による
慢 性 膵 炎 の1 例 およびデスモイド 腫 瘍 1 例 )【 結 語 】PDは 地 方 一 般 病 院
では 合 併 症 の 多 い 術 式 の 一 つである。 当 科 では 当 初 より 膵 胃 吻 合 基 本
としており 膵 液 瘻 発 生 率 は9%であったが、 術 後 合 併 症 36%はhigh…
volume…centerと 比 較 しても 発 生 頻 度 は 高 いと 思 われた。より 一 層 の
術 後 合 併 症 の 減 少 や 術 後 QOL 向 上 のため、 更 なる 手 術 手 技 、 周 術 期
管 理 の 向 上 が 必 要 であると 思 われた。
P103-2 初 心 者 にも 容 易 な 膵 空 腸 吻 合 を 目 指 して
1
浜 松 医 科 大 学 第 2 外 科 、 2 磐 田 市 立 総 合 病 院 外 科
○… 坂 口 孝 宣 1
, 平 出 貴 乗 1
, 柴 崎 泰 1
, 森 田 剛 文 1
, 鈴 木 淳 司 1
,
福 本 和 彦 1
, 稲 葉 圭 介 1
, 鈴 木 昌 八 2 1
, 今 野 弘 之
【 背 景 】 膵 空 腸 吻 合 は 空 腸 孔 を 広 げすぎない、 膵 管 や 空 腸 粘 膜 を 損 傷
なく 確 実 に 拾 うことが 肝 要 である。 今 回 は、 初 心 者 にも 容 易 にできる
膵 空 腸 吻 合 法 の 要 点 について 述 べる。【 方 法 】 膵 実 質 はメスで 鋭 的 離 断 、
ソフト 凝 固 や 血 管 縫 合 糸 縫 合 にて 断 面 止 血 する。4-0 血 管 縫 合 糸 によ
る 柿 田 式 膵 実 質 空 腸 漿 膜 筋 層 縫 合 後 、5-0…monofilament 吸 収 糸 による
膵 管 空 腸 全 層 吻 合 を 行 う。 膵 管 拡 張 例 は 後 列 7、 前 列 5の12、 非 拡 張 例
は 各 5、3の8 針 。0、6、3、9 時 ( 頭 尾 腹 背 ) 方 向 の4 端 を、 膵 管 と 膵 実 質
間 の 剥 離 を 避 けるように 膵 管 内 腔 から 膵 実 質 方 向 へ 運 針 。 可 能 な 限 り
漿 膜 面 に 針 を 刺 通 させて 実 質 を 多 めにとる。 空 腸 孔 は、 助 手 が 持 った
モスキート 鉗 子 を 空 腸 側 壁 吻 合 予 定 部 にあて、 術 者 がモスキートに 電
気 メス 通 電 させて 作 成 。 助 手 はモスキート 先 端 を0、6 時 方 向 にむけて
先 端 をわずかに 開 き、 術 者 は 膵 管 縫 合 両 端 針 の 膵 管 内 腔 側 針 にて 空 腸
内 腔 から 外 へ 運 針 。9 時 の 縫 合 は、 空 腸 粘 膜 を 確 実 に 拾 うために9 時 に
先 端 をむけた 助 手 のモスキートの 又 をめざし、 膵 管 実 質 側 の 針 にて 空
腸 外 から 内 腔 へ 運 針 する。この 後 、 後 列 の 縫 合 追 加 。0-9、9-6 時 間 に
膵 管 内 腔 、 膵 実 質 、 空 腸 漿 膜 面 、 空 腸 内 腔 に 片 端 針 で 運 針 。 次 いで 両
端 糸 にて 膵 管 内 腔 から 実 質 へむけた 前 列 膵 側 のみの 運 針 を 行 って 把 持 。
膵 側 運 針 終 了 後 に 術 者 が 後 列 吻 合 糸 を 結 紮 。5-0…monofilamentを 後 壁
吻 合 部 付 近 の 空 腸 粘 膜 に 縫 合 結 紮 し、 同 糸 で 経 空 腸 的 に 留 置 した 膵 管
tubeを 固 定 。その 後 、 前 列 側 両 端 針 の 膵 内 腔 側 針 にて 空 腸 内 腔 から 外
へ 運 針 。 前 列 運 針 終 了 後 、 術 者 が 結 紮 。 吻 合 部 前 後 壁 にフィブリノゲ
ンシートを 貼 付 保 護 後 、 柿 田 式 糸 を 術 者 が 結 紮 して 吻 合 終 了 。【 成 績 】
本 方 法 導 入 後 、 初 心 者 施 行 2 例 を 含 めた5 例 で、 洗 浄 のみで 対 応 可 能 だっ
たGrade…Bの 膵 液 漏 1 例 を 認 めたのみである。【 結 論 】 本 方 法 を 用 いれば、
初 心 者 でも 確 実 な 膵 空 腸 吻 合 が 可 能 であろう。
P103-3 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 における 膵 空 腸 貫 通 密 着 吻 合 法 - 手
技 の 定 型 化 を 加 えた 吻 合 難 易 度 軽 減 の 工 夫 ‐
広 島 市 立 広 島 市 民 病 院 外 科
○… 松 川 啓 義 , 塩 崎 滋 弘 , 藤 原 康 宏 , 大 野 聡 , 小 島 康 知 ,
原 野 雅 生 , 金 澤 卓 , 丁 田 泰 宏 , 二 宮 基 樹
【 緒 言 】 手 技 を 定 型 化 した 膵 空 腸 貫 通 密 着 吻 合 法 により、soft…
pancreasの 膵 実 質 の 運 針 や 細 径 膵 管 の 縫 合 も 膵 硬 化 ・ 膵 管 拡 張 例 と 同
等 の 難 易 度 で 行 え 有 用 なため 手 技 を 供 覧 する。【 方 法 】 膵 空 腸 貫 通 密
着 吻 合 法 の 定 型 化 した 手 順 は、 膵 実 質 貫 通 - 空 腸 漿 膜 筋 層 縫 合 :3-0…モ
ノフィラメント 非 吸 収 糸 の 直 針 を 用 いて 膵 実 質 全 幅 に 通 針 ・ 貫 通 させ、
空 腸 の 漿 膜 筋 層 に 幅 広 く 縫 合 し、 膵 管 頭 側 と 尾 側 に 結 節 で 計 4 針 縫 合
する。 膵 管 空 腸 全 層 縫 合 :6-0…モノフィラメント 吸 収 糸 を 用 いて 膵 管
断 端 を 正 面 視 し 腹 側 の 位 置 を12 時 として、1,… 先 ず 膵 管 後 壁 がわかりや
すくするため 膵 管 の 前 壁 中 央 12 時 の 位 置 に 糸 をかけ 挙 上 牽 引 する。2,…
3 時 と9 時 の 膵 管 と 空 腸 全 層 を 縫 合 し 両 端 の 支 持 糸 とする。3,… 後 壁 6 時
の 位 置 を 縫 合 し 後 壁 中 央 の 支 持 糸 とする。4,…9 時 と6 時 および3 時 と6 時
の 間 に 膵 管 径 に 合 わせて 均 等 にそれぞれ1~3 針 縫 合 する。5,…3 時 と9 時
の 両 端 は 残 し 後 壁 の 縫 合 糸 を 結 紮 する。6,… 主 膵 管 径 が5mm 未 満 の 場
合 は 膵 管 ステントを 挿 入 し6 時 の 結 紮 糸 で 固 定 する。7,… 前 に 膵 管 の12
時 にかけた 縫 合 糸 を 空 腸 にもかけ 前 壁 中 央 とする。8,…9 時 と12 時 およ
び3 時 と12 時 の 間 に 後 壁 と 同 様 に 均 等 にそれぞれ1~3 針 縫 合 する。 全
ての 膵 管 空 腸 縫 合 糸 を 結 紮 する。 最 後 に 膵 実 質 貫 通 縫 合 糸 を 結 紮 して
膵 断 端 と 空 腸 を 密 着 させる。 膵 実 質 2 列 縫 合 から 現 在 の 貫 通 密 着 吻 合
法 に 変 更 し、Grade…B,…C 膵 液 瘻 、 仮 性 動 脈 瘤 出 血 は 特 にsoft…pancreas
の 症 例 で 減 少 した。また 消 化 器 外 科 専 門 医 修 練 者 が 施 行 した 膵 空 腸 貫
通 密 着 吻 合 の 膵 液 瘻 発 生 率 は、 指 導 医 施 行 例 に 比 べ 有 意 差 はなかった。
【 考 察 】 貫 通 密 着 吻 合 法 は 膵 実 質 縫 合 が 結 紮 されない 状 態 で 膵 管 空 腸
吻 合 をするため、 膵 管 後 方 に 充 分 な 視 野 ・スペースを 保 ち 確 実 な 膵 管
の 運 針 が 可 能 である。また 直 針 で 膵 全 幅 に 通 針 する 膵 実 質 の 縫 合 操 作
も 膵 実 質 を 膵 管 の 前 後 2 列 縫 合 に 比 べ 簡 素 で、 運 針 や 結 紮 操 作 の 際 に
縫 合 針 や 縫 合 糸 による 膵 実 質 の 裂 創 や 挫 滅 も 来 しにくい。 手 技 を 定 型
化 しさらに 助 手 の 手 順 も 統 一 することにより、 術 者 の 技 量 による 大 き
な 差 異 なく 施 行 可 能 である。【 結 語 】 手 技 を 定 型 化 した 貫 通 密 着 吻 合
法 は、 吻 合 の 難 度 も 軽 減 され 安 全 で 有 用 な 膵 空 腸 吻 合 法 と 考 えられる。
P103-4 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 後 の 連 続 縫 合 による 膵 管 空 腸 粘 膜 吻
合 法
独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 横 浜 医 療 センター 外 科
○… 関 戸 仁 , 松 田 悟 郎 , 清 水 哲 也 , 後 藤 晃 紀 , 行 田 悠 ,
森 康 一 , 堀 井 伸 利
【 背 景 】 結 節 縫 合 による 膵 管 空 腸 粘 膜 吻 合 は、 時 間 を 要 し 高 価 な 糸 を
多 数 必 要 とする。そこで 最 近 、 連 続 縫 合 による 吻 合 法 を 実 践 している。
【 目 的 】 連 続 縫 合 による 膵 管 空 腸 粘 膜 吻 合 法 を 検 討 する。【 手 術 手 技 】
膵 消 化 管 吻 合 は、 膵 管 膵 実 質 空 腸 全 層 吻 合 ( 粘 膜 吻 合 )、 端 側 、 連 続 縫
合 で 行 う。 縫 合 糸 は6-0…PDS-IIを 使 用 する。 膵 管 12° 方 向 に 片 端 針 で
針 糸 をかけ、これを 牽 引 し 膵 管 口 を 視 認 しやすくする。 次 に6° 方 向 に
片 端 針 で 内 外 外 内 にかけ、 結 紮 する。この 糸 の 結 紮 結 節 のみが 吻 合 口
内 に 残 存 する。この 糸 はのちにLost…stentの 固 定 に 使 用 する。この 糸
のすぐわきに 両 端 針 で 内 外 、 内 外 にかけ、 結 紮 する。この 針 糸 を 用 い
て6°から9° 方 向 と6°から3° 方 向 にそれぞれ 連 続 縫 合 する。はじめに6°
方 向 にかけた 糸 でlost…stentを 固 定 する。9° 方 向 と3° 方 向 にそれぞれ
両 端 針 を 外 内 内 外 にかけ 結 紮 し、 連 続 縫 合 してきた 糸 と 結 紮 する。 新
たにかけた 針 糸 でそれぞれ9°から12°、3°から12°に 外 内 内 外 に 連 続 縫
合 する。 初 めに12 方 向 にかけた 針 糸 を 空 腸 側 に 内 外 でかけ、 結 紮 し、
それぞれを 連 続 縫 合 してきた 糸 と 結 紮 し、 膵 管 空 腸 粘 膜 吻 合 を 完 成 す
る。【 対 象 】 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 66 例 中 14 例 に 本 法 行 った。【 結 果 】 本 法
により 手 術 時 間 有 意 に 短 縮 した。 膵 液 瘻 (GradeB)は、やや 減 少 した。
【 結 語 】 連 続 縫 合 による 膵 管 空 腸 粘 膜 吻 合 法 は 有 用 と 思 われる。
-531-