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P52-6 先 天 性 胆 道 拡 張 症 に 対 する 分 流 手 術 後 の 肝 内 結 石 に 対<br />
し 肝 切 除 を 施 行 した3 例<br />
1<br />
東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 付 属 柏 病 院 外 科 、 2 東 京 慈 恵 会 医 科 大 学 外 科<br />
学 講 座 消 化 器 外 科<br />
○… 斉 藤 良 太 1<br />
, 島 田 淳 一 1<br />
, 北 村 博 顕 1<br />
, 田 辺 義 明 1<br />
,<br />
遠 山 洋 一 1<br />
, 柳 沢 暁 1<br />
, 小 林 進 1 2<br />
, 矢 永 勝 彦<br />
先 天 性 胆 道 拡 張 症 においては, 膵 ・ 胆 管 合 流 異 常 による 膵 液 ・ 胆 汁 の<br />
相 互 逆 流 により 胆 道 系 と 膵 に 様 々な 合 併 症 , 特 に 胆 道 癌 を 合 併 するこ<br />
とより,その 治 療 として 肝 外 胆 管 切 除 , 胆 道 再 建 (いわゆる 分 流 手 術 )<br />
が 標 準 術 式 とされる.しかし 分 流 手 術 後 の 長 期 経 過 において 肝 内 結 石<br />
の 発 症 や 胆 管 消 化 管 吻 合 部 狭 窄 などの 問 題 点 が 指 摘 されている. 先 天<br />
性 胆 道 拡 張 症 に 対 する 分 流 手 術 後 に 発 症 した 肝 内 結 石 に 対 し, 肝 切 除<br />
を 施 行 した3 例 を 経 験 したので 報 告 する. 症 例 1は62 歳 男 性 . 先 天 性 胆<br />
道 拡 張 症 に 対 する 分 流 手 術 後 2 年 で 肝 内 結 石 を 併 発 し 胆 管 形 成 , 肝 管<br />
空 腸 再 吻 合 による 除 石 術 を 施 行 した.その16 年 後 に 左 葉 型 の 肝 内 結 石<br />
を 再 発 し, 肝 左 葉 切 除 , 肝 門 部 胆 管 切 除 を 施 行 した. 症 例 2は32 歳 女 性 .<br />
胆 道 拡 張 症 に 対 する 内 瘻 術 後 20 年 で 肝 内 結 石 を 併 発 し, 分 流 手 術 を 施<br />
行 した.その9 年 後 に 左 葉 型 の 肝 内 結 石 を 再 発 し, 肝 外 側 区 域 切 除 ,<br />
肝 内 結 石 除 去 を 施 行 した. 症 例 3は56 歳 男 性 . 分 流 手 術 後 10 年 で 肝 内<br />
結 石 を 併 発 し, 胆 管 形 成 , 肝 管 空 腸 再 吻 合 による 除 石 術 を 施 行 した.<br />
その6 年 後 に 両 葉 型 の 肝 内 結 石 の 再 発 および 肝 内 胆 管 癌 を 併 発 したた<br />
め, 拡 大 肝 右 葉 切 除 , 肝 門 部 胆 管 切 除 を 施 行 した.3 症 例 ともに 結 石<br />
の 再 発 を 認 めず, 症 例 3は 肝 内 胆 管 癌 の 再 発 により 術 後 15ヶ 月 にて 死<br />
亡 したが, 残 る2 例 は 術 後 27ヶ 月 , 術 後 51ヶ 月 で 健 在 である. 先 天 性<br />
胆 道 拡 張 症 に 対 する 分 流 手 術 後 に 発 生 する 肝 内 結 石 は 再 発 を 繰 り 返 し,<br />
また 胆 道 癌 発 生 の 要 因 となるため 慎 重 な 経 過 観 察 を 必 要 とする. 分 流<br />
手 術 後 に 再 発 する 肝 内 結 石 では, 肝 切 除 による 結 石 除 去 が 有 効 である.<br />
P52-7 魚 骨 穿 通 による 肝 膿 瘍 の1 例<br />
1<br />
鹿 児 島 厚 生 連 病 院 外 科 、 2 鹿 児 島 大 学 消 化 器 外 科 ・ 乳 腺 甲 状<br />
腺 外 科 学 、 3 今 村 病 院 放 射 線 科<br />
○… 小 倉 芳 人 1<br />
, 田 辺 寛 1<br />
, 横 枕 直 哉 1<br />
, 實 操 二 1<br />
, 西 島 浩 雄 1<br />
,<br />
前 之 原 茂 穂 1<br />
, 夏 越 祥 次 2<br />
, 志 村 武 3 3<br />
, 西 田 博 利<br />
【はじめに】 通 常 、 魚 骨 を 誤 嚥 した 場 合 には 自 然 に 排 泄 されるため 消<br />
化 管 穿 孔 ・ 穿 通 することは 稀 である。 今 回 我 々は 魚 骨 が 十 二 指 腸 から<br />
肝 臓 に 穿 通 し 肝 膿 瘍 を 形 成 したと 考 えられた1 例 を 経 験 したので 報 告<br />
する。【 症 例 】 症 例 は60 歳 ・ 男 性 。 主 訴 は 腹 痛 ・ 胃 部 不 快 感 。1980 年 頃 、<br />
交 通 外 傷 による 開 腹 術 の 既 往 が 認 められた。また、 従 来 より 魚 骨 を 食<br />
べる 習 慣 が 認 められた。 現 病 歴 は2011 年 3 月 、1 週 間 前 より 続 く 腹 痛 を<br />
主 訴 に 前 医 を 受 診 した。 受 診 時 、 上 腹 部 に 著 明 な 圧 痛 と 炎 症 反 応 の 上<br />
昇 が 認 められ、CTにて 肝 S3-4に 径 7cm 大 の 肝 膿 瘍 が 認 められた。 更 に、<br />
肝 膿 瘍 内 部 に 線 状 の 高 吸 収 域 が 認 められ、 魚 骨 の 存 在 が 疑 われた。ま<br />
た、 上 部 内 視 鏡 検 査 にて 十 二 指 腸 球 部 に 潰 瘍 性 病 変 が 認 められ、 同 部<br />
より 魚 骨 が 穿 通 したと 考 えられた。 以 上 より 魚 骨 穿 通 による 肝 膿 瘍 と<br />
診 断 した。 肝 膿 瘍 に 対 し 経 皮 的 膿 瘍 ドレナージ 術 を 施 行 し 炎 症 反 応 の<br />
軽 減 を 図 った 後 、 魚 骨 摘 出 を 含 めた 外 科 治 療 を 勧 められ、2011 年 4 月<br />
当 院 入 院 した。2011 年 4 月 手 術 を 施 行 し、 開 腹 時 、 肝 S4はやや 硬 く 暗<br />
赤 色 に 軽 度 腫 大 し、その 部 分 に 鶏 卵 大 の 膿 瘍 が 認 められた。 術 中 US<br />
にて 肝 膿 瘍 ・ 魚 骨 と 思 われる 陰 影 を 確 認 した 後 、 肝 膿 瘍 部 を 切 開 する<br />
と、 白 色 の 少 量 の 膿 汁 が 流 出 し、 中 から 魚 骨 と 思 われる 約 2cmの 長 さ<br />
の 異 物 が 認 められた。 異 物 を 摘 出 すると 共 に、 肝 切 除 は 行 なわずドレ<br />
ナージ 術 を 施 行 し 手 術 を 終 了 した。 摘 出 した 異 物 は 約 2cmの 長 さの 半<br />
透 明 の 石 灰 物 で、 魚 骨 と 考 えられた。 術 後 、 症 状 の 再 燃 もなく2011 年<br />
4 月 末 退 院 した。 外 来 にて 定 期 的 に 通 院 治 療 中 で、 肝 膿 瘍 も 徐 々に 縮<br />
小 し、 炎 症 反 応 の 再 燃 も 認 められない。【 考 察 】 魚 骨 による 穿 孔 ・ 穿<br />
通 は 食 道 ・ 胃 ・ 回 腸 ・ 横 行 結 腸 ・S 状 結 腸 に 多 く 認 められ、 腹 腔 内 膿<br />
瘍 や 肛 門 周 囲 膿 瘍 が 多 く 報 告 されている。しかし、 本 症 例 のように 肝<br />
膿 瘍 を 来 すことは 極 めてまれである。 今 回 我 々は 十 二 指 腸 を 穿 通 し 肝<br />
膿 瘍 を 形 成 したと 考 えられた1 例 を 経 験 したので 若 干 の 文 献 的 考 察 を<br />
加 えて 報 告 する。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
P52-8 側 副 血 行 路 に 発 生 し 開 腹 手 術 により 治 療 し 得 た 肝 動 脈<br />
瘤 の1 例<br />
関 西 医 科 大 学 外 科<br />
○… 坂 口 達 馬 , 海 堀 昌 樹 , 石 崎 守 彦 , 松 井 康 輔 , 松 島 英 之 ,<br />
權 雅 憲<br />
【はじめに】 肝 動 脈 瘤 は 比 較 的 稀 な 疾 患 であるが、 腹 部 内 臓 動 脈 瘤 の<br />
うち 脾 動 脈 瘤 に 次 いで 多 いとされ 近 年 では 医 原 性 の 仮 性 瘤 が 増 加 して<br />
いるとされる。 文 献 上 、 出 血 性 ショックを 伴 った 破 裂 例 の 死 亡 率 は<br />
20-82%とされ 迅 速 な 対 応 が 必 要 な 疾 患 である。 今 回 、 医 原 性 と 考 え<br />
られる、 側 副 血 行 路 に 発 生 し 開 腹 手 術 により 治 療 し 得 た 仮 性 肝 動 脈 瘤<br />
の1 例 を 経 験 した。【 症 例 】 患 者 は67 歳 、 男 性 。38 歳 時 に 胆 嚢 摘 出 術 の<br />
既 往 があり、45 歳 時 からHCV 抗 体 陽 性 を 指 摘 され 近 医 にて 経 過 観 察<br />
中 であった。 腹 部 超 音 波 検 査 で 肝 腫 瘤 を 指 摘 され、 精 査 加 療 目 的 にて<br />
当 院 紹 介 となった。 造 影 CTで 肝 門 部 に 動 脈 相 、 門 脈 相 、 平 衡 相 のい<br />
ずれの 時 相 でも 動 脈 と 等 しい 濃 度 で 造 影 される 腫 瘤 像 が 認 められ、 肝<br />
動 脈 瘤 と 診 断 した。 血 管 造 影 で 右 肝 動 脈 を 認 めず、 左 肝 動 脈 から 右 葉<br />
へ 側 副 血 行 路 の 発 達 が 認 められ、 側 副 血 行 路 に8×5mmの 瘤 形 成 を 認<br />
めた。 径 カテーテル 塞 栓 術 (TAE)による 塞 栓 術 を 試 みたが、 血 管 の<br />
蛇 行 、 狭 細 化 のためTAEは 施 行 困 難 であり 開 腹 術 を 選 択 した。 瘤 は<br />
門 脈 臍 部 右 側 に 認 められ、 流 入 ・ 流 出 路 を 結 紮 し 瘤 を 摘 出 した。 病 理<br />
検 査 で 瘤 壁 は 内 膜 の 肥 厚 を 認 め、 中 膜 および 外 膜 は 欠 損 しており 仮 性<br />
動 脈 瘤 と 診 断 した。【 考 察 】 未 破 裂 の 肝 動 脈 瘤 のうち、 仮 性 瘤 は 自 然<br />
な 血 栓 化 が 期 待 できず 全 例 が 治 療 対 象 とされ、 特 に 医 原 性 の 肝 動 脈 瘤<br />
は 仮 性 瘤 が 多 く 破 裂 の 頻 度 が 高 い。 本 症 例 では 胆 嚢 摘 出 術 後 の 合 併 症<br />
として 医 原 性 の 仮 性 瘤 形 成 を 疑 い 破 裂 の 危 険 を 考 慮 した。 治 療 として、<br />
最 近 では 低 侵 襲 であり 血 管 造 影 に 引 き 続 いて 施 行 できるTAEの 有 用<br />
性 が 広 く 認 められているが、 本 症 例 では 開 腹 手 術 により 治 療 し 得 た。<br />
側 副 血 行 路 に 発 生 した 肝 動 脈 瘤 の 報 告 例 は 極 めてまれであり、 若 干 の<br />
文 献 的 考 察 を 加 えて 報 告 する。<br />
P53-1 胆 管 と 交 通 を 有 した 単 純 性 肝 嚢 胞 に 対 し 単 孔 式 腹 腔 鏡<br />
下 肝 嚢 胞 天 蓋 切 除 術 にて 治 癒 し 得 た1 例<br />
板 橋 中 央 総 合 病 院<br />
○… 松 本 浩 次 , 畑 中 正 行<br />
症 例 は75 歳 , 女 性 .2010 年 9 月 下 旬 より 突 然 右 季 肋 部 痛 が 出 現 し, 当 院 受<br />
診 , 精 査 加 療 目 的 で 緊 急 入 院 となる. 入 院 後 腹 部 超 音 波 検 査 , 腹 部 CT 検 査<br />
で, 肝 右 葉 を 中 心 に20cm 大 の 単 純 性 肝 嚢 胞 を 指 摘 された. 経 皮 的 ドレ<br />
ナージを 施 行 したが, 胆 汁 成 分 を 含 有 した 多 量 の 嚢 胞 液 が 吸 引 され, 内<br />
視 鏡 下 逆 行 性 胆 管 造 影 では, 肝 内 胆 管 と 嚢 胞 の 交 通 が 確 認 された. 本 症<br />
例 に 対 し 単 孔 式 に 腹 腔 鏡 下 肝 嚢 胞 天 蓋 切 除 とともに、 術 中 嚢 胞 腔 内 胆<br />
汁 漏 出 部 が 同 定 されたため,その 部 を 縫 合 閉 鎖 した. 術 後 , 経 過 良 好 にて<br />
退 院 となった. 今 回 ,… 胆 管 と 交 通 を 有 した 単 純 性 肝 嚢 胞 に 対 し 単 孔 式 腹<br />
腔 鏡 下 肝 嚢 胞 天 蓋 切 除 術 にて 治 癒 し 得 た1 例 を 経 験 したので 報 告 する.<br />
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