タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日（水） - æ ªå¼ä¼šç¤¾ã‚³ãƒ³ã‚°ãƒ¬

PD2-7
T4 胆 嚢 癌 に 対 する 外 科 切 除 成 績 と 術 前 術 後 化 学 療 法 の
意 義
千 葉 大 学 大 学 院 臓 器 制 御 外 科 学
○… 大 塚 将 之 , 木 村 文 夫 , 清 水 宏 明 , 吉 留 博 之 , 加 藤 厚 ,
吉 富 秀 幸 , 古 川 勝 規 , 竹 内 男 , 高 屋 敷 吏 , 久 保 木 知 ,
鈴 木 大 亮 , 中 島 正 之 , 宮 崎 勝
胆 嚢 癌 は 進 行 癌 として 発 見 されることが 多 く、 特 に 肝 および 肝 十 二 指
腸 間 膜 へは 容 易 に 浸 潤 し、その 治 療 には 血 管 合 併 切 除 など 拡 大 切 除 が
必 要 とされる 症 例 も 少 なくない。また、 切 除 困 難 な 局 所 進 行 胆 嚢 癌 も
経 験 される。 今 回 、 高 度 局 所 進 行 (pT4) 胆 嚢 癌 の 外 科 切 除 成 績 を 解 析
するとともに 近 年 導 入 された 術 前 術 後 化 学 療 法 の 意 義 について 検 討 し
た。【 対 象 】 胆 嚢 癌 切 除 症 例 180 例 中 pT4は84 例 で、 肝 床 型 が30 例 、 肝
門 型 が22 例 、 肝 床 肝 門 型 が29 例 、その 他 3 例 であった。 切 除 術 式 は 肝
葉 切 除 以 上 が43 例 で、19 例 に 血 管 合 併 切 除 ( 門 脈 15 例 、 右 肝 動 脈 5 例 )、
13 例 に 膵 頭 十 二 指 腸 切 除 を 併 施 した。【 結 果 】 累 積 生 存 率 :1、3 年 生
存 率 は38、13%で、 進 展 様 式 の 差 異 で 差 は 認 められなかった。 予 後 規
定 因 子 : 年 齢 、 性 別 、 治 癒 度 、 肝 浸 潤 、 肝 十 二 指 腸 間 膜 浸 潤 、 門 脈 /
動 脈 浸 潤 、 消 化 管 浸 潤 、 神 経 周 囲 浸 潤 、 肝 転 移 では 有 意 な 差 は 認 めら
れず、N3 症 例 が 有 意 に 予 後 不 良 であった。 血 管 合 併 切 除 : 血 管 合 併
切 除 により11 例 で 治 癒 切 除 が 得 られた。その 成 績 は 非 合 併 切 除 例 と 統
計 学 的 な 有 意 差 は 認 められないものの、2 年 以 上 生 存 例 は 認 めていない。
術 後 補 助 化 学 療 法 :Gemcitabineの 導 入 後 11 例 に 補 助 化 学 療 法 を 施 行
し、 生 存 率 の 有 意 な 延 長 効 果 (1、3 年 生 存 率 :62、31%)を 認 めている。
術 前 化 学 療 法 併 用 外 科 切 除 :7 例 の 切 除 困 難 と 考 えられる 局 所 進 行 T4
胆 嚢 癌 に 対 し、Gemcitaineによる 化 学 療 法 を 施 行 した 後 4 例 を 切 除 し、
そのうち1 例 は 術 後 37ヶ 月 、 診 断 後 42ヶ 月 現 在 無 再 発 生 存 中 である。【 結
論 】pT4 胆 嚢 癌 ではN3 症 例 の 切 除 適 応 は 慎 重 であるべきだが、その
他 の 症 例 は 積 極 的 外 科 切 除 を 目 指 すべきで、Gemcitabineを 中 心 とし
た 術 後 補 助 化 学 療 法 を 加 えることにより 予 後 改 善 が 期 待 される。 血 管
合 併 切 除 例 は 治 癒 切 除 率 向 上 には 寄 与 するものの 現 状 では 予 後 改 善 に
結 びついておらず、 術 前 あるいは 術 後 補 助 化 学 療 法 が 必 須 と 考 える。
切 除 困 難 例 でも 化 学 療 法 で 根 治 切 除 可 能 となる 症 例 があり、 今 後 新 た
な 治 療 戦 略 として 考 慮 すべきと 考 えられた。
PD3-1
IPMNの 治 療 戦 略 ― 分 枝 型 IPMNに 対 する 手 術 適 応 と
主 膵 管 型 IPMNに 対 する 膵 全 摘 の 要 否 についてー
愛 知 県 がんセンター 中 央 病 院 消 化 器 外 科
○… 清 水 泰 博 , 佐 野 力 , 千 田 嘉 毅 , 小 森 康 司 , 大 澤 高 陽 ,
二 宮 豪 , 二 村 雄 次
【 背 景 】 当 科 では2008 年 までのIPMN 切 除 例 の 検 討 で 汎 用 性 の 高 い4
因 子 ( 性 、 病 型 、 結 節 径 、 膵 液 細 胞 診 )を 用 いた 癌 予 測 ノモグラムを 作
成 し、 癌 予 測 能 がROC… 曲 線 下 面 積 …(AUC)=0.903と 非 常 に 良 好 なこと
を 報 告 してきた(World…J…Surg…2010)。また 主 膵 管 型 IPMN( 以 下 、 主
膵 管 型 )の 手 術 では、 膵 切 除 断 端 の 迅 速 病 理 検 査 をおこない、 中 等 度
異 型 までは 原 則 放 置 、 高 度 異 型 は 可 及 的 に 追 加 切 除 するが 膵 全 摘 ( 以 下 、
TP)は 回 避 、 上 皮 内 癌 以 上 であればTPすることを 基 本 方 針 としてきた。
【 目 的 】IPMNの 治 療 方 針 決 定 の 際 に 特 に 問 題 となる 分 枝 型 IPMN( 以
下 、 分 枝 型 )の 手 術 適 応 と 主 膵 管 型 に 対 するTPの 要 否 を 再 検 討 する。
【 対 象 と 方 法 】1.…2009 年 以 降 に 切 除 した 分 枝 型 19 例 ( 癌 11 例 、 腺 腫 8 例 )
でノモグラムの 癌 診 断 予 測 能 を 検 討 した。2.…2011 年 までに 切 除 した
IPMN…130 例 中 、 主 膵 管 型 40 例 の 治 療 成 績 を 検 討 し、 当 科 方 針 の 妥 当
性 について 検 討 した。【 結 果 】1.ノモグラムの 癌 予 測 能 はAUC=0.818
に 相 当 し、 癌 の 予 測 確 率 …5%をカットオフ 値 とすると 感 度 82%、 特 異
度 50%、 正 診 率 68%であった。 国 際 診 療 ガイドライン 手 術 適 応 …( 主 膵
管 径 10mm 以 上 …or… 嚢 胞 径 30mm 以 上 …or 壁 在 結 節 あり)… のAUC=0.517
より 良 好 であった。2.… 男 性 25 例 、 女 性 15 例 で 手 術 時 の 平 均 年 齢 は67 歳
であった。 術 式 はPD…26 例 、DP…11 例 、MP…1 例 、TP…2 例 で、 病 理 所
見 は 腺 腫 15 例 、 上 皮 内 癌 12 例 、 微 小 浸 潤 癌 5 例 、 浸 潤 癌 8 例 で、 術 後 観
察 期 間 は5~152ヵ 月 ( 平 均 60ヵ 月 )であった。 浸 潤 癌 以 外 の32 例 は 他 病
死 1 例 を 除 いて 生 存 中 で、 浸 潤 癌 8 例 は4 例 が 再 発 したが 残 膵 再 発 はなく、
原 病 死 4 例 、 他 病 死 1 例 であった。 初 回 術 後 に 残 膵 再 発 した6 例 では 二
期 的 TPを 行 った。6 例 の 初 回 手 術 時 の 膵 断 端 病 理 診 断 は 軽 度 異 型 腺 腫
2 例 、 正 常 4 例 で、 初 回 手 術 から 残 膵 全 摘 までは24~99ヵ 月 ( 平 均 51ヵ 月 )
であった。 残 膵 全 摘 時 の 病 理 所 見 は 腺 腫 …1 例 、 上 皮 内 癌 2 例 、 微 小 浸
潤 癌 2 例 、 浸 潤 癌 1 例 で、 再 手 術 後 5~87ヵ 月 ( 平 均 39ヵ 月 ) 無 再 発 生 存
中 である。【まとめ】1.ノモグラムは 最 近 の 切 除 例 においても 良 好 な
癌 診 断 予 測 能 を 示 し、 分 枝 型 の 治 療 方 針 決 定 に 有 用 である。2. 主 膵 管
型 の 膵 切 除 範 囲 に 関 する 当 科 の 治 療 方 針 は 妥 当 であった。
PD3-2
分 枝 型 IPMNの 縮 小 手 術 の 適 応 とその 治 療 成 績
北 海 道 大 学 消 化 器 外 科 II
○… 高 橋 亮 , 平 野 聡 , 山 吹 匠 , 野 路 武 寛 , 海 老 原 裕 磨 ,
村 上 慶 洋 , 加 藤 健 太 郎 , 松 本 譲 , 土 川 貴 裕 , 七 戸 俊 明 ,
田 中 栄 一
( 背 景 ) 当 科 では 従 来 より 浸 潤 癌 を 除 くIPMN 症 例 に 対 し, 周 囲 臓 器 を 温
存 し 膵 実 質 のみを 切 除 する 術 式 (Parenchymal…Pancreatectomy:PP)
を 積 極 的 に 適 応 し, 術 前 浸 潤 癌 と 診 断 した 症 例 には 通 常 の 癌 に 準 じた
切 除 を 行 ってきた。 今 回 , 当 科 の 手 術 成 績 からIPMNの 外 科 手 術 適 応 と
術 式 選 択 の 妥 当 性 について 検 討 を 行 った。( 対 象 )1983 年 ~2011 年 に 切
除 したIPMN…93 症 例 ( 男 性 59 例 , 女 性 34 例 ), 年 齢 は29-82 歳 ( 平 均 66 歳 )。
主 膵 管 型 16 例 , 分 枝 型 77 例 。( 方 法 ) 嚢 胞 径 40mm 以 上 , 主 膵 管 径 10mm 以
上 , 有 結 節 , 細 胞 診 陽 性 , 有 症 状 の 症 例 を 手 術 適 応 とした。 嚢 胞 径 および
主 膵 管 径 の 計 測 はCT,US,EUSを 用 い, 壁 在 結 節 の 診 断 は 主 にUS,EUSで
行 った。 境 界 病 変 を 良 性 に 含 めて 検 討 した。( 結 果 ) 病 理 組 織 学 的 に 腺
腫 および 境 界 病 変 (A)59 例 , 非 浸 潤 癌 および 微 小 浸 潤 癌 (NC)18 例 , 浸 潤
癌 (C)16 例 に 分 類 すると 主 膵 管 型 はA/NC/C=7/6/3, 分 枝 型 は52/12/13
であり 主 膵 管 型 の56%, 分 枝 型 の32%が 悪 性 であった。 分 枝 型 の 嚢 胞
径 30mm 以 上 を 悪 性 とすると39 例 中 18 例 が 悪 性 であり,… 悪 性 度 診 断 の
感 度 75%, 特 異 度 60%であった。 主 膵 管 径 6mm 以 上 を 悪 性 とすると38
例 中 20 例 が 悪 性 であり,… 感 度 80%, 特 異 度 65%であった。 有 結 節 症 例 は
45 例 中 25 例 が 悪 性 であり, 感 度 100%, 特 異 度 62%であった。 分 枝 型 の33
例 (A/NC/C=26/7/0)に 縮 小 手 術 を 施 行 した。27 例 にPPを 施 行 した。
2000 年 以 降 の7 例 では 膵 液 瘻 や 再 発 を 認 めていない。PPを 含 む 縮 小 手
術 の5 年 生 存 率 は94%,10 年 生 存 率 は90%, 標 準 手 術 は 分 枝 型 の44 例 (A/
NC/C=26/5/13)に 施 行 し,5 年 生 存 率 70%,10 年 生 存 率 57%であった。 標
準 手 術 を 施 行 したA,NCのみでは5 年 生 存 率 77%,10 年 生 存 率 64%であり,
縮 小 手 術 と 比 べ 低 い 傾 向 にあったが、 有 意 差 は 認 めなかった…
(P=0.055)。…( 結 語 ) 分 枝 型 IPMNのうち 周 囲 への 浸 潤 を 認 めないもの
にはPPを 適 応 可 能 であるが, 術 前 画 像 で 浸 潤 の 有 無 を 正 確 に 診 断 する
ことは 困 難 であるため,その 選 択 は 慎 重 に 行 うべきである。
PD3-3
混 合 型 IPMNの 位 置 付 けの 再 検 討 と 当 教 室 における
IPMNの 治 療 方 針
1
名 古 屋 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 消 化 器 外 科 学 、 2 名 古 屋 セン
トラル 病 院 外 科
○… 藤 井 努 1
, 山 田 豪 1
, 林 真 路 1
, 奥 村 徳 夫 1
, 末 永 雅 也 1
,
田 中 千 恵 1
, 大 橋 紀 文 1
, 中 山 吾 郎 1
, 杉 本 博 行 1
,
小 池 聖 彦 1
, 野 本 周 嗣 1
, 藤 原 道 隆 1
, 竹 田 伸 1
, 中 尾 昭 公 2
,
1
小 寺 泰 弘
【 背 景 ・ 目 的 】IPMNの 診 断 ・ 治 療 指 針 には 未 だ 多 くの 検 討 課 題 がある。
以 前 、 混 合 型 IPMNは 主 膵 管 型 に 含 めて 検 討 されていたが、 近 年 では
分 枝 型 ・ 主 膵 管 型 それぞれに 区 別 して 検 討 される 傾 向 にある。 今 回 、
われわれは 混 合 型 IPMNを 再 分 類 し、 当 教 室 の 治 療 方 針 について 再 検
討 した。【 対 象 】1996 年 から2011 年 9 月 までの 手 術 159 例 。 混 合 型 にお
いては、 主 膵 管 拡 張 が 主 要 所 見 で、3cm 以 下 の 分 枝 型 が1~ 複 数 個 認
めるものを 主 膵 管 型 由 来 混 合 型 、3cm 以 上 の 分 枝 型 ( 多 くの 場 合 単 独 )
が 主 要 所 見 で、さらに 主 膵 管 拡 張 を 認 めるものを 分 枝 型 由 来 混 合 型 と
定 義 した。【 結 果 】 症 例 全 体 の 検 討 では、 腺 腫 が78 例 、 非 浸 潤 癌 が29 例 、
微 少 浸 潤 癌 が17 例 、 浸 潤 癌 が35 例 であった。 浸 潤 癌 の5 年 生 存 率 は
33.9%、 生 存 期 間 中 央 値 は14.4ヶ 月 で、 他 群 に 比 して 有 意 に 予 後 不 良
であった。 非 浸 潤 癌 、 微 少 浸 潤 癌 でリンパ 節 転 移 は 認 められなかった。
術 前 画 像 所 見 からの 分 類 では 分 枝 型 86 例 , 主 膵 管 型 38 例 、 混 合 型 35 例 で、
混 合 型 では 主 膵 管 型 由 来 が10 例 、 分 枝 型 由 来 が25 例 。 病 理 結 果 が 悪 性
であったものは 分 枝 型 / 主 膵 管 型 / 主 膵 管 型 由 来 混 合 型 / 分 枝 型 由 来 混
合 型 の38%/74%/60%/56%、 浸 潤 癌 は13%/37%/30%/28%であった。
微 少 浸 潤 癌 以 上 の 生 存 期 間 中 央 値 は15.4ヶ 月 /27.0ヶ 月 /8.1ヶ 月 /25.0ヶ
月 であった。【 考 察 】 当 教 室 では 術 前 診 断 で 浸 潤 癌 が 疑 われるものは
通 常 型 膵 癌 と 同 様 の 手 術 を、 浸 潤 所 見 は 認 められないが 悪 性 が 疑 われ
るものには1 群 もしくは 近 傍 リンパ 節 郭 清 を 伴 う 術 式 を 行 っている。
分 枝 型 から 主 膵 管 拡 張 をきたした 混 合 型 は、 主 膵 管 型 と 同 様 の 頻 度 で
悪 性 であり、 手 術 の 適 応 と 考 えられた。 症 例 数 が 少 ないものの、 主 膵
管 型 から 混 合 型 に 移 行 したものは 有 意 に 予 後 不 良 であり、より 積 極 的
な 補 助 化 学 療 法 の 適 応 と 考 えられた。
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