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タイムテーブル 第 1 日目 5 月30日(水) - 株式会社コングレ

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ES1-1-1<br />

医 の 倫 理<br />

独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 金 沢 医 療 センター 外 科<br />

○… 萱 原 正 都<br />

最 近 の 医 療 界 では 生 殖 医 療 、 移 植 医 療 、 遺 伝 子 医 療 などに 関 して 多<br />

様 性 のある 様 々な 倫 理 的 な 問 題 がみられる。 医 の 倫 理 は 生 命 倫 理 、 生<br />

物 学 的 倫 理 と 関 連 しているが、 医 の 倫 理 は 医 療 行 為 の 本 質 的 な 構 成 要<br />

素 である。 個 人 の 尊 重 、インフォームド・コンセント、 守 秘 義 務 など<br />

の 倫 理 原 則 は 医 師 ・ 患 者 関 係 の 基 本 である。しかしながら、ある 状 況<br />

のなかで 何 が 正 しい 方 法 かに 関 して、 医 師 、 患 者 、 患 者 家 族 、その 他<br />

の 医 療 従 事 者 が 合 意 できないこともある。 治 療 を 第 一 義 とするとして<br />

も、いかなる 治 療 を 選 ぶべきかについて、 判 断 を 要 する 状 況 が 増 えて<br />

いる。 医 師 は 何 が 正 しい 行 動 かを 自 分 で 決 めなくてはならないし、 現<br />

代 では 判 断 の 原 則 についての 公 開 性 が 求 められている。また、 医 療 と<br />

相 性 の 悪 い 経 済 との 関 係 も 無 視 できない。 本 講 演 では 医 の 倫 理 に 関<br />

する 総 論 について、1. 医 の 倫 理 の 特 徴 、2. 医 師 と 患 者 の 関 係 、3. 医 師<br />

と 社 会 ・ 経 済 との 関 係 、4. 医 師 と 医 療 関 係 者 との 関 係 、5. 倫 理 と 医 学<br />

的 研 究 などについて 述 べたい。 医 学 の 本 質 的 な 使 命 は 最 も 危 険 性 が 低<br />

く、 最 小 の 対 価 で 患 者 と 社 会 に 最 大 の 恩 恵 をもたらすことであり、 患<br />

者 にとって 大 きな 不 幸 は 無 知 な 医 師 によって 診 察 されることであるこ<br />

とを 忘 れてはならない。<br />

ES1-2-1<br />

肝 ・ 胆 道 ・ 膵 癌 の 化 学 療 法 ・ 分 子 標 的 治 療<br />

杏 林 大 学 腫 瘍 内 科<br />

○… 古 瀬 純 司<br />

肝 、 胆 道 、 膵 癌 の 治 療 戦 略 において、がん 化 学 療 法 の 役 割 が 益 々 大 き<br />

くなってきている。 本 セミナーではこれらの 疾 患 に 対 する 化 学 療 法 に<br />

ついて 分 子 標 的 治 療 を 含 めた 現 状 と 課 題 について 述 べる。 肝 癌 におい<br />

ては、プラセボ 対 照 による 第 3 相 試 験 の 結 果 、ソラフェニブが 局 所 治<br />

療 の 適 応 とならない 進 行 肝 細 胞 癌 に 対 する 標 準 治 療 として 広 く 用 いら<br />

れている。 承 認 された 当 初 、 手 足 皮 膚 反 応 や 肝 障 害 などの 有 害 事 象 や<br />

早 期 死 亡 など、 安 全 管 理 や 適 正 使 用 が 問 題 となったが、 早 期 の 副 作 用<br />

対 策 やチーム 医 療 により 完 全 管 理 が 確 立 されてきている。さらに、<br />

TACEや 切 除 などの 局 所 治 療 の 補 助 療 法 としての 適 応 拡 大 が 試 みられ<br />

ている。 一 方 、 高 齢 者 やChild-Pugh…Bでの 適 応 など 課 題 も 依 然 多 い。<br />

ソラフェニブに 続 く 多 くの 薬 剤 が 開 発 されているが、 未 だ 新 しい 薬 剤<br />

は 出 てきていない。 胆 道 ・ 膵 癌 の 切 除 不 能 例 や 再 発 例 に 対 する 標 準 治<br />

療 は 全 身 化 学 療 法 であり、 塩 酸 ゲムシタビン(GEM)がkey…drugとし<br />

て 広 く 用 いられている。しかし、その 治 療 成 績 は 十 分 なものとはいえ<br />

ず、 多 くの 新 しい 治 療 法 の 試 みが 行 われてきた。 膵 癌 では、GEM、<br />

S-1、GEM+S-1(GS 療 法 )による 大 規 模 な 第 3 相 試 験 が 行 われ、GEMに<br />

対 するS-1の 非 劣 性 が 証 明 されたが、GS 療 法 の 優 越 性 は 証 明 されな<br />

かった。 分 子 標 的 薬 としてはGEM+エルロチニブが 承 認 されているが、<br />

間 質 性 肺 炎 の 管 理 など 制 限 も 多 い。 新 しい 分 子 標 的 薬 として、 抗<br />

IEGFR 抗 体 薬 などの 国 際 治 験 も 行 われており、 今 後 の 結 果 に 期 待 し<br />

たい。 胆 道 癌 においては 大 規 模 な 第 3 相 試 験 の 結 果 、GEM+CDDP 併<br />

用 療 法 (GC 療 法 )が 標 準 治 療 として 確 立 した。さらにS-1とGS 療 法 の 第<br />

2 相 比 較 試 験 によりGSがより 有 望 と 報 告 され、 今 後 、GC 療 法 との 第 3<br />

相 試 験 が 予 定 されている。 一 方 、 分 子 標 的 薬 の 開 発 は 海 外 でいくつか<br />

行 われているが、 適 応 承 認 に 向 けた 臨 床 試 験 は 全 く 行 われていないと<br />

いっても 過 言 ではない。 肝 ・ 胆 道 ・ 膵 癌 は 予 後 不 良 の 疾 患 であり、 従<br />

来 の 化 学 療 法 では 限 界 がある。 新 しい 分 子 標 的 薬 の 開 発 ・ 導 入 による<br />

予 後 の 改 善 が 期 待 される。<br />

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ES1-2-2<br />

肝 癌 および 膵 癌 に 対 する 重 粒 子 線 の 現 状 と 展 望<br />

放 射 線 医 学 総 合 研 究 序 重 粒 子 医 科 学 センター 病 院<br />

○… 山 田 滋 , 篠 藤 誠 , 遠 藤 悟 史 , 安 田 茂 雄 , 今 田 浩 史 ,<br />

鎌 田 正<br />

重 粒 子 線 は 陽 子 線 のシャープな 線 量 分 布 と 中 性 子 線 の 強 力 な 殺 細 胞 効<br />

果 を 有 する 放 射 線 である。 放 射 線 医 学 総 合 研 究 所 では1994 年 より 重 粒<br />

子 線 を 用 いて 固 形 がんに 対 する 治 療 を 施 行 し、2012 年 1 月 までに 約<br />

6500 例 の 治 療 を 実 施 してきた。その 治 療 結 果 から 従 来 放 射 線 抵 抗 性 で<br />

あったがん( 腺 癌 系 や 肉 腫 系 )に 対 しても 極 めて 高 い 局 所 制 御 率 が 得 ら<br />

れてきた。… 肝 細 胞 癌 に 対 する 重 粒 子 線 治 療 は1995 年 6 月 から 臨 床 試 験<br />

が 開 始 され2011 年 2 月 までに403 例 が 治 療 された。15 回 →12 回 →8 回 →4<br />

回 →2 回 の 順 で、これらの 分 割 法 の 安 全 性 と 有 用 性 が 確 かめられた。2<br />

回 /2 日 照 射 法 で 治 療 し、6 月 以 上 経 過 した110 例 の 解 析 では、3 度 以 上<br />

の 重 篤 な 急 性 期 障 害 は 認 められず、37GyEより 高 い 線 量 では3 年 局 所<br />

制 御 率 88%と3 年 生 存 率 73%と 高 い 有 効 性 が 示 された。… 手 術 不 能 であ<br />

る 局 所 進 行 膵 臓 癌 に 対 する 重 粒 子 線 の 臨 床 試 験 が2003 年 4 月 より 開 始<br />

され、2012 年 2 月 まで38.4-52.8GyE/12… 回 /3 週 間 の 線 量 分 割 法 で47 例 に<br />

治 療 が 行 われた。 本 試 験 から 正 常 組 織 障 害 は 極 めて 低 い 傾 向 であった。<br />

局 所 制 御 率 は 高 い 効 果 が 示 されたが、 生 存 率 は 満 足 すべき 数 字 が 得 ら<br />

れなかった。この 原 因 は、 肝 などへの 遠 隔 転 移 の 早 期 出 現 が 原 因 と 考<br />

えられた。これよりGemcitabine(GEM)・ 重 粒 子 線 同 時 併 用 療 法 の 第<br />

I/II 相 試 験 が2006 年 4 月 より 開 始 された。GEM1000mg/m2 併 用 群 でも<br />

DLTの 発 生 率 は 低 く 順 調 に 線 量 増 加 が 行 われた。まだ 十 分 な 期 間 観<br />

察 されていないが、GEM1000mg/m2+ 重 粒 子 線 45.6GyE 以 上 投 与 群 41<br />

例 では2 年 生 存 率 が67%と 良 好 な 結 果 であった。 2003 年 4 月 より 開 始<br />

された 膵 臓 癌 に 対 する 術 前 炭 素 イオン 線 治 療 臨 床 試 験 は8 回 /2 週 間 で<br />

施 行 された。2009 年 8 月 までに25 例 に 対 し、30GyEから36.8GyEまで<br />

線 量 増 加 をおこなった。 現 在 までのところ、 消 化 管 ・ 骨 髄 ・ 皮 膚 等 に<br />

重 篤 な 副 作 用 を 認 めていない。 切 除 例 は20 例 (80%)で、 切 除 例 の5 年<br />

生 存 率 は52%と 極 めて 良 好 な 結 果 が 得 られている。… 重 粒 子 線 は 肝 癌<br />

および 膵 癌 において 患 者 に 過 大 な 負 担 をかけることなく 治 療 成 績 を 向<br />

上 させることが 示 された。<br />

ES1-2-3<br />

膵 臓 がんの 集 学 的 治 療<br />

国 立 がん 研 究 センター 中 央 病 院<br />

○… 小 菅 智 男<br />

膵 臓 がんは 切 除 可 能 であっても 長 期 予 後 が 不 良 であったため、 切 除<br />

手 術 と 補 助 療 法 を 組 み 合 わせた 集 学 的 治 療 の 試 みが 古 くからなされて<br />

きた。しかし、そのほとんどは 少 数 例 の 経 験 や 医 師 の 個 人 的 な 期 待 に<br />

基 づくものであった。 効 果 や 有 害 事 象 を 総 合 して 患 者 の 利 益 になるか<br />

どうかについては 検 証 するためにはランダム 化 比 較 試 験 (RCT)を 行<br />

う 必 要 がある。しかし、 膵 臓 がんについては 切 除 手 術 の 症 例 を 多 数 集<br />

積 することが 困 難 であったため、 信 頼 できるエビデンスはなかなか 得<br />

られなかった。<br />

膵 臓 がんの 集 学 的 治 療 に 関 する 最 初 のRCTは 米 国 のGITSGが1985<br />

年 に 発 表 した 術 後 補 助 化 学 放 射 線 療 法 に 関 するものであった。この 試<br />

験 では、5FUを 用 いた 術 後 化 学 放 射 線 療 法 が 有 効 とされたが、 臨 床 試<br />

験 の 質 には 問 題 があった。その 後 も 補 助 療 法 に 関 するRCTの 実 施 数<br />

は 少 なく、その 結 果 はまちまちであったため、 膵 臓 がんの 補 助 療 法 は<br />

長 年 に 渡 って 標 準 治 療 として 確 立 しなかった。<br />

この 状 態 を 変 えたのはゲムシタビンである。 非 切 除 進 行 膵 がんに 対<br />

する 治 療 薬 としてゲムシタビンが5FUに 取 って 代 わったことを 受 け、<br />

ゲムシタビンを 用 いた 補 助 化 学 療 法 について 臨 床 試 験 が 行 われた。ド<br />

イツとオーストリアで 行 われたCONCO-001 試 験 ではゲムシタビンの<br />

有 用 性 を 示 す 結 果 が 報 告 された。 日 本 でもほぼ 同 時 期 にJSAP-02 試 験<br />

が 行 われ、CONCO-001 試 験 と 類 似 した 結 果 が 得 られた。これにより、<br />

ゲムシタビン 単 剤 による 術 後 補 助 化 学 療 法 が、 切 除 可 能 膵 がんに 対 す<br />

る 標 準 治 療 として 確 立 した。 術 後 補 助 療 法 に 関 しては 多 剤 併 用 化 学 療<br />

法 についてのRCTが 数 多 く 行 われるようになってきた。 本 邦 では、<br />

S-1の 位 置 づけを 検 証 するための 臨 床 試 験 が 行 われている。<br />

膵 臓 がんの 補 助 療 法 として 確 立 したのは 今 のところ 術 後 補 助 化 学 療<br />

法 のみである。 最 近 、 術 前 補 助 療 法 の 試 みが 数 多 くなされるようになっ<br />

てきた。しかし、その 有 用 性 については 十 分 なエビデンスが 得 られて<br />

いない。 倫 理 的 な 問 題 を 起 こさないためにも、 大 規 模 なRCTによる<br />

検 証 が 必 要 である。 化 学 療 法 のほかには 免 疫 療 法 についての 検 討 が 進<br />

められつつあり、その 成 果 が 期 待 されている。<br />

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